避難ハッチ

【解説】避難ハッチとは?避難ハッチの種類やメーカー特徴をご紹介

避難ハッチ

マンションのベランダやバルコニーに設置されている避難ハッチ。火災が発生して、通常の避難ルートでの避難ができなくなった場合、この避難ハッチを利用して階下に移動します。そもそも「ハッチ」とは、ふたの付いた昇降口の意味。円形のふたはマンホール、方形のふたはハッチと呼ばれることが多いです。避難ハッチは圧倒的に方形のふたで閉じられていますが、ふたを開けてはしごや救助袋で降りるように設計されています。一般的には特に着目される機会はありませんが、ビルオーナー様、マンション管理組合様、建設会社様、不動産業者様などにとっては、入居者の命を守る避難設備として、物件の安全性と入居者への信頼性にも繋がります。

新築だけでなく、大規模修繕工事の予定がある、消防署からの指摘を受けているなど、避難ハッチの改修や交換が必要とされている場合でも、役立つ情報をお伝えします。頻繁に利用されることはないものの、無ければ困るのが避難ハッチです。短い時間で、避難ハッチの知識を少しでも深めていただければ幸いです。


ココがポイント

  1. 避難ハッチの役割は、逃げ遅れた人のために緊急の脱出経路を確保することです。
  2. 避難ハッチは消防法などにより、設置が必要な防火対象物や設置基準が定められています。
  3. 避難ハッチは、専門業者に直接依頼することで価格が抑えられます。

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避難ハッチとは

避難ハッチの説明の前に、避難器具全体の概要について触れておきます。避難器具は、消防法施行令第25条第2項の表から、全部で8種類あります。いずれも国家検定の対象となっているものです。

  • 避難はしご・・標準的な避難器具。吊り下げや固定式があり病院などには設置できない。
  • 避難用タラップ・・手すりを用いる階段のこと。タラップはオランダ語の「trap(階段)」から。
  • 救助袋・・垂直または斜めに展張させて滑り降りる。垂直式の内部はらせん状。
  • 緩降機・・ベルトを脇の下で固定し自重により降下。
  • 滑り台・・幼稚園、老人ホーム、病院などによく見られる。避難の効率性が高い。
  • 滑り棒・・小学校に設置されているのぼり棒に似た避難器具。
  • 避難ロープ・・結び目を点在させて滑り止め加工しているロープ。
  • 避難橋・・屋上または階の途中に設置し他の建物へ移動するための橋。

その中で避難ハッチとは、本体(中枠含む)、上下のふたおよび取付金具によって構成されたものを指しますが、ハッチ用つり下げはしごが組み込まれている状態を含めて「避難ハッチ」と呼んでいるのが現状です。各メーカーは避難ハッチを、前述の8種類の中では「避難はしご」に分類されていることが多くなっています。なお、この記事では「避難ハッチ」で記述を統一することにします。

避難ハッチの用途

避難ハッチの用途は、その名の通り災害時、特に火災などから避難するために使われます。しかし、避難ハッチが設置されている建物には、避難経路が設定されています。ビジネスホテルなど、避難経路がドアの内側に掲示されているのを見かけたこともあるでしょう。では、避難ハッチは、どのような時に使うのでしょうか。例えば、集合住宅での火災発生時の場合を想定してみます。運悪く入居者は就寝中で、火災に気付いた時には通常の避難経路からの脱出が困難となった場合に、階下への避難のため避難ハッチを利用するのです。あくまでも通常の避難経路が優先され、避難ハッチは、いざというときの緊急手段という位置づけになります。

【参考】避難ハッチ体験談

吊り下げはしごではありませんが、垂直式救助袋が組み込まれた避難ハッチなら、実際に体験したことがあります。研修の一環で安全教育や防災についてのレクチャーを受けた時に、避難訓練を兼ねたものでした。垂直式救助袋ですから、スルッと一直線に勢いよく落ちて、着地でケガをするのではないかというイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、袋の内部はらせん状に布が貼られており、ゆるやかに回りながら降りることができます。滑り降りるスピードは、摩擦抵抗もあって非常にゆっくりです。恐怖心が杞憂に終わるほど、安全に降りることができました。なお、避難ハッチを使った避難訓練は、点検業者や消防設備士の立会いの下で行うことを原則としてください。

避難ハッチの商品内容

避難ハッチには、どういった商品があるのか、国内メーカーの商品を参考に、一般的な情報について解説します。

まず商品体系として、

  • 新築物件用
  • 改修用

と、大きく2つに分かれます。

新築物件用避難ハッチ

あらかじめハッチの中枠開口部の寸法が決められており、ハッチ用つり下げはしごを自由に選択して組み合わせることができます。子どもがいたずらしないように、チャイルドロックが装備された避難ハッチがスタンダードな仕様になっています。材質はステンレス製(SUS304)が主流ですが、組み込みのはしごには、一部、鉄製も出回っています。開口部やハッチ用つり下げはしごの寸法は、各メーカーにより違いがありますので、施工前に電子カタログや図面を公式サイトからダウンロード、または冊子を取り寄せてチェックすることが基本です。

改修用避難ハッチ

避難ハッチの改修においては、開口部のサイズを現場で拡大や縮小することが極めて難しいため、既存の開口部のサイズに合わせた避難ハッチを調達することになります。つまり開口部のサイズに応じた、オーダー品による交換作業が必然となるのです。各メーカーの改修用避難ハッチは、現場での採寸を前提にしているため、標準サイズを設定していません。現場に応じて避難ハッチを、工場で生産することになります。もちろん見積もりが必要となります。ハッチの仕様(材質等)については、新築用と同等と考えて良いでしょう。

ハッチ用つり下げはしご

折りたたみ式とスライド式があります。折りたたみ式は、パンタグラフ式とも呼ばれており、はしごが一段ずつ折りたたまれて収納されています。スライド式は、はしごが1段ずつ重なって収納されているイメージです。どちらも、ワンタッチ式のレバーなど、ひとつの操作でゆるやかにはしごが下に伸びるように作られています。

避難はしごとは

この記事での避難はしごとは、ベランダやバルコニーの床に埋め込まれている「避難ハッチ」ではなく、手すりや柵にフック(吊り下げ金具)で固定して使用するタイプなどを指しています。

避難はしごの構成

避難はしごは、フックとはしごで構成されています。
フックは吊り下げ金具とカタログで表記されているケースもありますが、どちらもおおむね3種類に集約されます。

  • フック
  • 自在フック
  • ナスカンフック(A) 手すり外形寸法50φ以内
  • ナスカンフック(B) 手すり外形寸法50φまたは特殊形状対応
  • はしご
  • ワイヤーロープ式
  • 折りたたみ式
  • 固定式

どういう場所に設置しているか

高層マンションよりも、2.3階程度の高さの公共建築物やビルで見かけることがあるかと思います。ワイヤーロープ式や折りたたみ式は、専用の収納ボックスに室内で保管、または窓の下の壁面に専用の収納ボックスとともに固定されます。固定式は、建物の外壁に設置されます。はしごは縦棒の中に横桟が収まっており、使用時はレバーや手作業で展張します。収納時もレバーや手作業で操作をします。固定式の避難はしごには、外壁にそのままの状態で取り付けるタイプもあります。ビル屋上の設備の点検用として、よく見かけることがあると思います。

主な避難ハッチメーカーと商品の特徴

主な避難ハッチメーカーの商品特徴について簡単に紹介します。

ヤマトプロテック株式会社

1918年創業と主要避難ハッチメーカーでも最も老舗企業のヤマトプロテック。そんなヤマトプロテック避難ハッチの特徴を記載させていただきます。

Point1.施工が簡単で、作業時間が短縮できる

通常は、ベランダを解体する工事が必要となりますが当社製品は上下の蓋を取り外して改修用ハッチを取り付けるだけのため作業時間の短縮と工事コストの圧縮が可能です。

Point2.上下蓋は連動で開閉

独自の連動機構を開発しているため、上下の蓋が連動して開閉するためいざとなった際の利用も簡単です。

Point4.ステンレス製で高い耐食性

ステンレス製の避難ハッチとなるため、耐食性が高く錆びにくい特徴があります。安全性が高く、海辺のマンションなどでも長持ちする点が特徴です。

Point5.チャイルドロック搭載

子供が誤って避難ハッチを開けようとして、下の階に落ちてしまうといったリスクを防止するため、チャイルドロックが標準搭載されています。

Point7.簡単な操作で開閉が可能

上蓋と下蓋を開けてペダルを踏むだけの簡単操作。火事などで商品を利用しないといけなくなった際も素早く避難が可能です。

オリロー株式会社

1928年創業で主に代理店販売を中心に、避難器具を「ORIRO」ブランドで製造販売しています。
販売している商品は、「避難ハッチ(組み込みはしごまたは救助袋)」「避難はしご(吊り下げ式と固定式)」「緩降機」「救助袋」「すべり台」「消火器」「避難ロープ」などがあります。

避難ハッチはバリエーションも多彩で、

  • 強風対策用避難ハッチ
  • 上下操作用避難ハッチ
  • 二重天井用避難ハッチ
  • 上蓋下蓋用逆開閉避難ハッチ

があります。

避難ハッチの避難口サイズは、

  • 520×600mm
  • 600×600mm
  • 600×680mm

の3種類が標準サイズになっています。避難ハッチに組み込まれるハッチ用はしごに関しては、折りたたみ式が多い中で、スライド式の商品も販売しています。スライド式のメリットは大きく2点あり、

  • 下降口が広い
  • 真下に障害物があっても避難可能

となります。折りたたみ式の場合、真下に障害物があると、はしごを伸ばし切ることができず、避難が困難になる可能性があります。ところがスライド式の場合は、ある程度は、障害物によってはしごを伸ばし切れなくても、降りることができるのです。本来なら、避難ハッチの真下には障害物となるものは置かないように注意したいところではありますが、想定外のケースを想定した上で、商品を開発していることが素晴らしいと言えるでしょう。

ナカ工業株式会社

1932年創業で従業員数570名を超える大企業で、避難ハッチは「タスカール」のブランドで展開しています。避難器具に関しては、避難ハッチ(タスカール:組み込みはしごまたは救助袋)のほかに「固定はしご」「降下型避難機器(UDエスケープ)」などがあります。避難ハッチのバリエーションは、二重天井用と上下階操作用が用意されています。

避難口サイズは、

  • 600×520mm
  • 600×600mm
  • 700×700mm

の3種類が標準サイズになっています。オプションとして「強風対策ラッチ」が用意されていますが、これを採用することによって強風による上蓋の自然開放や不快な振動音などを防ぐことができます。
強風が吹きやすい海沿いのマンションにタスカールをさいようした場合は、追加で取り付けると良さそうです。また、普段はロックが掛かっているために、階下からのいたずらや不法侵入など、防犯面でも安心材料になります。

株式会社セフ

1988年設立された日本金属株式会社のグループ会社です。避難ハッチを中心にステンレスはしごや消火器ボックスの販売・設計・施工・保守点検を行っています。日本金属株式会社は、ステンレスの圧延と加工のメーカーであるため、セフの避難ハッチはオーステンレス(SUS304)が強みであり、「SEF」ブランドで展開しています。上蓋はエンボス加工、下蓋は絞り加工のデザインになっています。

避難口サイズは、

  • 600×600mm
  • 520×600mm

の2種類が標準サイズになっています。オールステンレス製のため耐蝕性に強く、塩害が心配される温泉地や沿岸部に適しています。さらに、溶接が少ない製法により、強度と美観に優れています。

避難ハッチ設置の注意点

避難ハッチの工事には、消防法に基づいた届け出、設置基準の順守が求められます。

一戸建てや集合住宅のシステムキッチンやユニットバスなどの住宅向け設備のように、工務店の職人さんが墨だしから組み立て、養生まで一貫して施工するというパターンとは異なります。

そこで重要なのは「消防設備士」の存在です。

ここでは、消防設備士の役割や避難ハッチの設置工事の流れについて、確認しておきたいと思います。

消防設備士による届け出

消防設備士とは、消防用設備または特殊消防用設備など、設置が法律により義務づけられている建築物(デパート、ホテルなど)に対して、工事や整備を行う者とされています。

消防設備士は「甲種消防設備士」と「乙種消防設備士」の2種類の免状があり、さらに免状の種類により取り扱いができる設備が異なっています。

免状の種類 代表的な取り扱い設備
甲種 特類 特殊消防用設備
甲種または乙種 第1類 屋内外消火栓、スプリンクラー
第2類 泡消火設備
第3類 粉末消火設備
第4類 自動火災報知設備
第5類 避難はしご、救助袋、緩降機
乙種 第6類 消火器
第7類 漏電火災報知器

参照:受験案内 消防設備士免状の種類|一般財団法人消防試験研究センター

避難ハッチの取り扱いは、第5類甲種消防設備士の資格が必要です。
資格試験に関しては、一般財団法人消防試験研究センターの公式サイトを参照してください。

避難ハッチ設置の流れ

避難ハッチの設置工事あるいは改修工事の計画が確定した後は、消防設備士による届け出を行い、消防署の指導などを受けて適切な工事をすることになります。

書類や図面などの届け出先は、

  • 消防本部のない市町村の場合は市町村長
  • 消防本部または消防署のある市町村は消防長または消防署長

となっています。

確認申請が必要な規模の工事の場合、中間検査が行われることもあります。
消防立会検査においては、当日に避難ハッチの作動を求められることも想定しておいた方が良いかもしれません。

ここで取り上げた内容は、あくまでも一般論ですので、詳細は所轄の消防署へ問い合わせてください。

避難器具の設置基準

避難ハッチのような避難器具を設置する対象の建物、個数および種類を、建築士や設計士、あるいはオーナーや不動産会社などが任意で決めるものではありません。
消防法施行令第25条第1項により、厳然とした設置基準が存在します。しかし、この設置基準について関係法令を確認しても、やや複雑で具体的にイメージしにくいため、記憶の定着が困難なほどです。設置基準について次の章で、できるだけわかりやすく述べることにします。

避難ハッチの設置基準と設置する防火対象物

避難ハッチは、消防法施行令第25条第1項により第1号から第5号までの防火対象物に設置します。
防火対象物は、消防法施行令別表第1(※)で分類されており、その複雑さに至っては、消防設備士試験泣かせと言われるほどです。

消防法施行令別表第1

設置の必要性や数に関しては、

  • 収容人員
  • 用途
  • 建物の特性
  • 入居する階

などの条件に応じて変化するため、初めて取り組む場合は、かなり戸惑うこともあるかもしれません。冒頭で、避難器具は8種類あると書きましたが、この記事では避難はしごまたは避難ハッチに限定して、消防法施行令別表第1(以下、令別表第1)を参照しながら、収容人員別に設置基準をまとめてみることにします。前提として、避難はしごは3階までしか設置できません。
4階以上は避難ハッチが求められることは共通認識としてください。また、避難階および11階以上は避難器具の設置が不要であると、第25条に明記されていることを忘れないようにしましょう。余談ではありますが、タワーマンションの高層階に入居を検討する場合、避難器具の有無や避難ルートのチェックをおすすめします。

収容人員20人以上(第1号)

令別表第1(6)項から代表的な防火対象物を挙げると、病院、老人ホーム、デイサービス、幼稚園などが当てはまります。階ごとの設置は、地階と2階になり、必要個数は100人未満なら1台、以降100人増加ごとに1台ずつ追加します。ただし、地階はともかく2階からの避難に、避難はしごまたは避難ハッチを使うことは、現実的とはあまり言えない可能性があります。
老人ホームや病院の場合は、体力面を考えて救助袋が望ましいと言えるかもしれません。

収容人数30人以上(第2号)

令別表第1(5)項から代表的な防火対象物を挙げると、旅館、ホテルなどが当てはまります。階ごとの設置は、地階から10階です。必要個数は100人未満なら1台、以降100人増加ごとに1台ずつ追加します。

収容人数50人以上(第3号)

代表的な防火対象物を挙げると、令別表第1

(1)項・・劇場、映画館

(2)項・・カフェ、ダンスホール

(3)項・・飲食店

(4)項・・百貨店、展示場

(7)項・・学校

(8)項・・図書館、博物館

(9)項・・公衆浴場

(10)項・・停車場

(11)項・・神社、寺院

などです。階ごとの設置は、地階から10階です。必要個数は200人未満なら1台、以降200人増加ごとに1台ずつ追加します。

収容人数100人以上(第4号)

令別表第1(12)項と(15)項から代表的な防火対象物を挙げると、工場、テレビスタジオ、その他の事業所などが当てはまります。階ごとの設置は、地階および3階以上の無窓階です。ポイントは2階に避難器具の設置が必要ないことです。必要個数は300人未満なら1台、以降300人増加ごとに1台ずつ追加します。ただし、3階以上の有窓階ならば、収容人数150人以上(第4号)に緩和されます。

収容人数10人以上(第5号)

少しややこしいので最後にしました。基本的に令別表第1の防火対象物の3階以上の階で、当該階から避難階や地上に直通する階段が2つ以上無い、つまり1つしかない階が設置対象となります。必要個数は100人未満なら1台、以降100人増加ごとに1台ずつ追加します。ただし、(2)項のカフェやダンスホール、(3)項の飲食店、ならびに(16)項イの複合用途防火対象物(後述)で、2階が(2)項のカフェやダンスホール、(3)項の飲食店の用途がある場合は、3階以上ではなく2階以上が設置対象です。また(5)項のホテルや旅館、(6)項の病院などの地階、2階以上の階では、下階に

(1)項・・劇場、映画館

(2)項・・カフェ、ダンスホール

(3)項・・飲食店

(4)項・・百貨店、展示場

(9)項・・公衆浴場

(12)項イ・・工場、作業場

(13)項イ・・自動車の車庫、駐車場

(14)項・・倉庫

(15)項・・各項に該当しない事業場

がある階は設置対象となります。

複合用途防火対象物とは

(1)項から(15)項の中で、異なる2つ以上の用途がある防火対象物です。具体的に複合用途防火対象物を挙げると、個人住宅とクリニックや商店舗、美容室など店舗併用住宅などですが、その用途の面積割合や管理上の理由で、消防法の規制に外れ一般住宅と判定されるケースもあります。判定基準は消防庁より通達(※)が出ていますが、複合用途防火対象物とされれば、収容人数10人以上という厳しい設置基準が採用されます。

※昭和50年4月15日付け消防予41号および消防安41号と昭和59年3月29日付け消防予54号

避難はしご(避難ハッチ)の階別設置適用表

地階 1階 2階 3~10階 11階以上
× ×

◎:全ての防火対象物
〇:令別表第1(6)項の防火対象物(病院など)は不要
×:設置不要

おさらいですが、避難はしごは3階までしか設置できません。4階以上は避難ハッチが求められます。

実際は、消防法施行規則第26条(※)により、避難器具の設置個数の減免が適用されるケースもあるため、所轄の消防署への確認や指導は必須です。
また自治体により独自の基準が盛り込まれていることもあり、この記事に書いてあることが全てではないことに、ご注意ください。

消防法施行規則第26条

まとめ

  • 避難器具は8種類
  • 避難ハッチは避難器具の避難はしごに含まれ11階以上は不要
  • トップシェアはオリロー株式会社
  • 「用途」「収容人員」「建物の特性」「入居する階」により設置を判断
  • 新築や改修工事の際は第5類甲種消防設備士の有資格者が中心
  • 避難ハッチの設置基準は複雑なため要注意
  • 主な関連法規は消防法施行令第25条、同令別表第1ならびに消防法施行規則第26条

避難ハッチについて基本的な内容について触れました。一般の人によるDIYや日曜大工、あるいはちょっとしたリフォームでは設置することができないのが避難器具です。第5類甲種消防設備士の資格所有者が届け出を行い、工事に立ち会うことで、施工が可能となります。これから防火対象物に相当する建物の新築や大規模な改修工事が予定されている場合に、少しでも本コンテンツが役に立てば幸いです。

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本コンテンツは基本的に情報の提供を主旨としていますが、情報源の確実性を保証するものではありません。法改正や市場の動向を鑑みて、予告なく記載内容の修正や訂正、情報の追加など変更を加えることがあります。
  • この記事を書いた人

消防点検ストア編集部

消防設備点検、工事請負を行う株式会社トネクションが運営しております。マンション・ビル・工場・店舗などの点検、設備交換や設置などをお手伝いさせていただきます。

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